今回は、十二鬼月の上弦の陸・妓夫太郎・堕姫が、
倒され空席となり、上弦の陸に任命され無限城での戦いで
登場した新上弦の陸『獪岳』について考察していこう。
獪岳の人間の頃
鬼になる前の人間の頃は、悲鳴嶼と一緒に暮らしていた。
岩柱の悲鳴嶼は鬼殺隊に入る前、
寺で数人と孤児と一緒に暮らしていたうちの一人が獪岳だった。
しかし、金を盗んだことが他の子供にバレてしまい、
寺を追い出された。
その時、鬼に遭遇し助かりたいがため、
寺の子供を鬼に売り寺に招き入れた。
そのせいで子供達は殺され、
唯一生き残った子供の一言で悲鳴は、殺人の罪を着せられて投獄された。
その後、悲鳴嶼の元を出てから、
元柱の桑島慈悟郎の下で兄弟弟子の善逸と共に
雷の呼吸の修行に励んでいた。
しかし、雷の呼吸の使い手だが『壱ノ型 霹靂一閃』だけ使うことが出来なかった。
雷の呼吸は壱ノ型が基本となっており、
それが使えないことで他の剣士から馬鹿にされていた。
逆に、壱ノ型しか使えない善逸のことを『愚図』と呼び下に見ていた。
善逸も獪岳を嫌ってはいたものの、
獪岳を馬鹿にする隊士に掴みかかったりと、
自分とは違いひたむきな彼を尊敬し『兄貴』としたっていた。
そして、その背中を見ていつか肩を並べて共に戦うことを願っていた。
桑島も善逸を兄弟子と分け隔てなく大切にし、
雷の呼吸の後継を善逸と獪岳の二人を指名するが、
自分だけが特別でないと気が済まない獪岳はそれが許せなかった。
しかし桑島は、善逸が普段着ている柄の着物を
獪岳にも渡しているが、それを着ることはなかった。
鬼になった理由
ある時、黒死牟に遭遇してしまい圧倒的な力に屈し、
命乞いをしたところ鬼に勧誘されその誘いを受け入れ鬼となった。
このとで雷の呼吸の使い手から鬼が出たため、桑島は自害した。
善逸は、桑島が死ぬ原因となった獪岳のことを探し回っていた。
そして、無限城にて善逸と獪岳は戦うことになる。
善逸が桑島が自害したことを告げるが、
獪岳は『爺が苦しんで死んだなら清々するぜ！』など、
自分のせいで師匠が亡くなっても何とも思わなかった。
人間の頃と同じように、
善逸を下に見て『雷の呼吸 肆ノ型 遠雷』を繰り出すが、
善逸は易々と躱して獪岳に一太刀を入れる。
そこから他の雷の呼吸を連発し、善逸に深傷を与えるが、
善逸が編み出した『雷の呼吸 漆ノ型 火雷神』を受けて頸を落とされる。
獪岳は
『耐えられない耐えられない！！そんな事実は受け入れられない！！
あんな奴に俺が？俺が負けるのか？頭が変になりそうだ』
と、善逸に敗北した。
このように、愚図と言っていた善逸に敗北しあっけない幕引きとなった。
今まで十二鬼月を倒すには柱の力が必要だったが、
獪岳は、善逸一人で倒せたというのは弱過ぎるため、
『十二鬼月に何故なれた？』と、疑問に思う。
では獪岳の強さを考察していこう。
何故、新参者の獪岳が十二鬼月に任命されたのか？
①全集中の呼吸が使えたから？
②人を沢山喰ったから？
③無惨に気に入られていた？
①全集中の呼吸が使えたから？
獪岳は、元々鬼殺隊で雷の呼吸が使える。
鬼になると超人的な身体能力や怪力を手にしするため、
血鬼術＋雷の呼吸で飛躍的に向上するとなると
当然強さも爆発的に上がる。
獪岳の雷の呼吸を受けると、
攻撃された後も身体の内部が裂け続けるため厄介な血鬼術。
そして、上弦の壱・黒死牟も月の呼吸の使い手だったのもあり期待されたのかもしれない。
②人を沢山喰った
獪岳がいきなり上弦の陸になれたのは呼吸を使える他に、
短期間で人を沢山喰ったからというのもある。
獪岳と戦闘した善逸も『大勢人を喰ったな』と、
言っていることから、
短期間で相当な数の人を喰って力をつけたのだろう。
何故そこまでしているのか？
それは、獪岳を鬼にする時に黒死牟が
『呼吸の剣士が鬼になる為にはあの方の血も多く頂かなければならない』と言っていた。
この言葉で、十二鬼月になる闘志がわいたとしたら、
より多くの人間を喰い力を付け、
無惨から血を多く貰いたいと思ったのではないか。
鬼の強さは無惨から与えられる血の量と、喰った人間の数で決まる。
そのため、無惨の血を早く貰いたいと思ったのだろう。
獪岳は、真面目で努力家なのだが、
自分の才能を絶対視しており、認められて当然と思っている。
自分の才能を正しく評価しない者は悪、
正しく評価する者は善と考えていたため、
桑島は認めていても平等だったため悪、
鬼は実力が認められれば十二鬼月になれる可能性もあるため善といった考えになったのだろう。
だから、無惨のように実力が認めさえすれば
血を分けられ十二鬼月にも入れるチャンスはあるため、
努力したのだろう。
③無惨に気に入られていた？
善逸が上弦の陸に獪岳がなれたことを『適当な穴埋め』と言っていた。
候補がいなかったため、鬼になりたての獪岳しかいなかったとも考えられるが、無惨に気に入られて上弦の鬼になった可能性も考えられる。
無惨が気にいる鬼の特徴は、
①自分と同じような境遇もしくは、悲惨な境遇の者
②貪欲な性格
③忠実で真面目過去を見れば分かるが、獪岳は③が当てはまる。
そして獪岳が、鬼殺隊だったという理由も無惨は狙っていたのではないか。
先程も言ったが、黒死牟のように呼吸が使え、
尚かつ目障りな鬼殺隊から、鬼を出したという屈辱を味合わせるためだったのではないか？
そして、血鬼術を使いこなせず実力的にはまだ乏しくとも、
短期間で多くの人間を喰ったとなれば、
鬼の素質は認められらたのだろう。
これは元々努力家だったため、
鬼となっても変わらなかったのが、無惨に真面目ととらえられたのではないか。
しかも、善逸を手当てした愈史郎が
『お前の戦っていた上弦はまだ自分の術や能力を使いこなせてなかった。
戦いが一年後だったら即死だったろうな』と言っていた。
この言葉で、上弦の鬼になる程の力があったか疑問に思っていたが、
ただ十二鬼月となり血鬼術を取得して日が浅く、
実力が付いていけてなかっただけと分かる。
もし生きていれば強くなっていたのは間違いない。
善逸も鬼殺隊では頼りない所もあるが、
鬼との対戦で力が付いていた。
そう考えれば、善逸より実力あがった獪岳なら、
善逸同様鬼殺隊との対戦を重ねていたら強くなっていただろう。
ただ、大好きだった桑島が獪岳のせいで自害した憎しみが、
善逸を強くさせた。
実力が付いていないうちに
善逸が倒しておいて良かったと思える。
このように獪岳は、弱いのではないことが、
分かったのではないだろうか。