今回は8月30日に放送された第9話『夢に溺れて』についてです。
小説版では2巻の第三章・漫画版4巻の23話~25話にあたります。
不穏な影
前回の続きで、連夜の悪夢に苦しみ、清霞に見合う淑女になろうと日々葉月に学んでいた美世は、とうとう街中で倒れてしまいます。その時、救いの手を差し伸べたのは、新でした。
美世は、何故名前を知っているのか不思議そうにしていましたが、葉月がお礼を言いゆり江と共に家へ戻り、休養することにします。
夕方になり、知らせを聞いた清霞は急いで帰宅しますが、美世は眠っていました。
そして清霞は、姉・葉月に、
・美世の母が薄刃家の人間であること
・久堂家の結界に綻びがないため、外部からの影響は考えにくい
・美世は異能がないが、薄刃の血をひいてあることが、悪影響を及ぼしているのではないか。
と、いうことを明かします。
葉月は、美世が薄刃の血を引いていると知って驚きます。そして『美世は薄刃について知らないのか』と、聞くと、清霞は『知らない』と、言いながらも、もし知っていても『言わないだろう』と・・・
そして、哀しげに『以前にも増して自分の気持ちを隠している』と、言う清霞。それを聞いた葉月は『心配かけたくないのだろうけど、心配くらいさせてほしいわね』と、清霞に寄り添いながら、美世の気遣いと、頼ってもらえない清霞のやるせなさの、両方を考えた葉月からの優しい言葉でした。
葉月の気遣い
そして、美世の作った昼食を食べている時に、葉月は自分の結婚から離婚に至った過去について話しました。
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久堂家に戻ってからの葉月は、自分にとって大切だった家族との暮らしを失ってしまったことを後悔したと言います。だからこそ、自分の欠点を克服しようとしている美世を尊敬し、美世自身の気持ちを大事にして欲しいと語りました。
そして『美世はこれからどんな風に生きたいか』と、問いかけます。美世は、どう生きたいかなんて今まで考えたことがなかったと言いながらも、清霞のそばにいたいという強い想いだけを抱いていました。
そんな美世に笑いかけた葉月は、美世に思われている清霞は幸せ者だと言いました。
清霞と美世のスレ違い
悪夢にうなされる日々を送っていた美世は、忙しい清霞に心配をかけまいと気丈に振る舞っていました。
一方、清霞は、美世が悪夢に苦しんでいると知っていましたが、自ら頼って話してくれることを願っていました。
そんな中、オクツキの件で忙しく、ようやく清霞と美世は、久しぶりに自宅の縁側で夜を過ごすことが出来ました。そして仕事が忙しく、なかなか話をする時間が取れないことを詫びた清霞は『何か困っていることはないか?』と、問いかけます。
美世は『特には』と、微笑みます。
逆に美世は、清霞にとって葉月とはどんな存在かを問しました。清霞は、葉月はやかましく性格はさほど合わないが、同じ環境で育ってきたからか言わなくてもわかる部分があり、あれはあれでいい人間だと語りました。
その話を聞くと美世は、自身にとって、そのような存在がいなかったため、とても素敵な関係だと思い、心の中で羨みます。美世の表情を察した清霞は『もう少しこちらに寄れ』と、言います。
そして『私は寂しいが、お前は寂しくないのか?』と、美世の手を握りました。戸惑いながらも『寂しいです』と答えた美世に、清霞は『自分の感情をさらけ出して甘えてもいいんだ、そうして支え合うのが家族だろう?』と、告げます。
清霞に抱きしめられても、美世は自分の問題くらい自分で解決できなくては、家族を支える資格なんて・・・と、考え込んでしまうのでした。
煽る鶴木 新
オクツキが、暴かれたことによって放たれた異形が、一般人を襲う事件が発生。異形が人里まで降りてきていることがわかり、帝都に現れるのも時間の問題だと、清霞ら軍部に緊張が走ります。
そして、作戦を実行するには、宮内省の許可が必要なため、清霞達は作戦をねりながら待ちます。
そして宮内省の伝達役である新を待っているある日、久堂家を訪れた新。
美世は、街で助けてくれた新の訪問に驚きます。
新は、清霞に用事があったようですが、非番のはずの清霞が、急遽仕事に出掛けたのを知らなかったと言いました。
そして、清霞の婚約者となった美世は、一時期社交界で話題になったと語り、清霞の冷徹な面に苦しんでいるため、美世の顔色が悪いのではないかと煽ります。
美世は咄嗟に『旦那様を悪く言わないでください!』と言い返しますが、その瞬間、頭痛に襲われました。
美世の様子に、出過ぎたことを言ったと詫びる新でしたが『俺はあなたにあなただけの役割をあげられます』と囁き、いつでも連絡してくださいと言い残すと、名刺を渡して去っていきました。
その頃、軍部では新の来訪を待つ清霞たちの姿が。
五道は『顔、疲れてますよ』と清霞のことを心配し、美世のためにも帰ってあげてくださいと告げました。
新がやって来ると、宮内省からの許可が降り、軍の大規模作戦の指揮権が清霞に移ることを伝えます。
こうして対異形の作戦が、始まることが決まりましたが、帰り際に新が怪しい発言をしました。
・非番だと思っていたから久堂家に行ったこと
・美世に会ったこと
・彼女の顔色が悪かったこと
・以前も街中で助けたこと
・美世のことが見えていないのではないか
などと言って清霞を煽ります。
そして清霞にも『何かお困りであれば、いつでも何なりとお申し付けください』と、美世にも言ったことを言います。
鶴木と薄刃の関係
そして鶴木が帰った後、情報屋に帝都中の美世の母親の名前『澄美』を探すよう頼んでおり、一人だけ怪しい人物がいたため、再度調べてもらっていた件の報告を受ける清霞。
そして、情報屋が集めてきた報告の中には『鶴木 澄美』という名前がありました。
清霞は『鶴木』の姓にピンと来て『鶴木 新』の名刺を見て何か思うことが・・・
清霞は急いで自宅へ戻ると、台所で呆然と立ちすくむ美世に声を掛けます。
安静にするよう告げていたはずの美世は、しっかりと夕飯を用意していたものの、彼女自身はやつれきって痩せていました。
清霞は、美世に近寄ると、倒れたことや本音を隠していたことを、思わず責めてしまいます。
美世は、清霞のことを想っていたことを明かしますが、切羽詰まった清霞が『勉強の機会なんて与えるんじゃなかった』と言ってしまいます。
そして美世は『酷いです』と涙を流し、倒れてしまいました。
『これでは斎森の人間たちと同じだ』と、後悔する清霞。その時、美世の着物の袖から新の名刺が出てきたのを見て、決意を改めます。
必ず私が美世の苦しみを終わらせてやる。
清霞は美世を連れて、車を走らせるのでした。
美世と新の関係は?
ネタバレにはなりますが、薄刃家である新と美世は、従兄になります。そして、美世を守ることこそ自分の役目だと思っています。
そのためには、常に美世の傍らにいられるよう結婚して夫になりたいと考えていました。
美世と清霞が、相思相愛であることを知ると夫になることは諦めます。
しかし護衛になりたいと自ら清霞に申し出てしぶしぶ許されています。
新がここまで美世にこだわるのには理由があります。『夢見の巫女』は、薄刃家の人々にとって神にも等しい存在であり、巫女を一族全員で守り支える掟があるほどです。
一族の中から選ばれた男性が、常に傍らにいて巫女を守るのがしきたりなのです。
新は、優れた異能者ですが、一度もその能力を生かす機会がなく、自分だけが果たせる役割を強く求めていました。
そこに夢見の巫女である美世が現れたため、つきっきりで、彼女を守り自分だけの役目を全うすることに執着しています。
こういったことがあり、9話でも美世が倒れた際も傍にいたのです。
そして久堂家に訪れ、やつれた美世に対して、清霞を悪く言ったりしていました。
そして、清霞にも美世がやつれているのは、清霞のせいだとわざわざ喧嘩をふっかけるような言い方をしたのは、清霞に嫉妬しているからなんですね。
今後の展開予想
倒れた美世を車に乗せ何処かへ向かった清霞。
おそらく『何かお困りのことがあれば・・・』と、新が言っていたことと、『薄刃=鶴木』に気付いた清霞は、お言葉通りに、新の所へ直接聞きに行ったのではないでしょうか?そんなことしたらまた美世の取り合いになる予感。
美世の悪夢問題にオクツキ事件と清霞も疲れが出ているため、これからの異形との対決に支障が出ないといいんですが・・・。
そして、新が美世に近づいているということは、そろそろ美世の異能が明かされていくことでしょう。
自分の秘密が明かされたら美世はどんな選択をするのか?
清霞の傍に居たい思いを貫くのか?
それとも清霞に気遣い離れるのか?
次回は、第10話『夏の桜、そして過ち』です。